音大生に特化した無料の就活支援サービス「ミュジキャリ」提供開始〜24時間365日 オンライン面談やチャットで就活サポート〜

クラシック音楽業界の人材とコンテンツの発展を目指すRENEW株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:白鳥さゆり)は2020年3月26日、音大生や音楽系学部生(以下、音大生)に特化した無料の就活支援サービス「ミュジキャリ」(https://musicari.jp/)の提供を開始したことをお知らせいたします。


平成30年度の首都圏に位置する音楽大学や音楽系学部(合計18大学)卒業生の総数は2506人にのぼり、そのうちの24.4%にあたる610人が一般企業への就職という進路を選んでいます。当社の調査では、就職活動する音大生の69%が金銭的な自立を理由に一般企業への就職を希望しており、66.7%が「音大生の就職活動は不利」と思いながら就職活動を始めていることがわかりました。背景として「音大という学歴が採用企業側にマイナスイメージに映る気がする」「音楽の経験が社会で活かせるか分からない」などの不安が存在。学内で就職活動についてオープンにできない就活生が42.1%と半数近く存在し、「音大から一般企業に就職することは少数派な進路」「周りに音楽を捨てると思われるのが嫌」などの理由から就職活動について身近な人と話しづらい音大生特有の就職活動状況が浮き彫りとなりました。しかし、音楽大学での就職活動を終えた内定者や社会人の91.3%が「音楽を通して培った力は社会で活きる」と回答しており、音大生が就職活動時に感じている不安と就職活動後の心境には大きなギャップがあることがわかりました。

このたびサービスを開始した「ミュジキャリ」は、現役の音大生に特化した就職活動支援サービスです。音大卒業生で一般企業に勤めた社会人や現役音大生で就職活動を終えた内定者などの経験者がアドバイザーとして、現役音大生の就職活動に必要な自己分析やエントリーシートの添削、企業分析、就職活動スケジュール設定などの指導を行います。また、24時間365日対応可能なオンライン面談やチャットツールによるオンラインサポートを提供。音大生はいつでもどこでも、就職活動のアドバイスを受けることができます。2019年8月にテストパイロット版としてサービスを開始以降、関東圏を中心とした音大生164人が利用しています。また、全国47都道府県で約5万名が利用する日本最大級のキャリア教育支援NPO en-courage(本社:東京都渋谷区、代表:角野祐志)と連携。「ミュジキャリ」に登録した音大生は、同NPOが運営する招待制キャリアイベントの案内を受けることができます。

少人数勉強会の様子

 

イベントの様子

 

オンライン面談の様子

 

当社は『音楽とともに生きる、をもっと自由に。』をビジョンに、これからも就活支援サービス「ミュジキャリ」の充実を図るとともに、クラシック音楽業界の人材とコンテンツの発展を軸にさまざまな事業を展開していきます。

 

※1 音楽之友社「音楽大学・学校案内2020 国公立大・私大・短大・高校・中学・音楽学校・大学院」より
※2 東京藝術大学「最近五年の進路状況」より(https://www.geidai.ac.jp/life/job/career
※3 音大生・音大卒業生向けのアンケート調査(調査対象200名)より

 

【現役音大生と音大卒業生200名に対する就職活動の意識調査】(2020年2月・当社調べ)

調査結果サマリー

  1.  就職活動をした音大生の69.0%が金銭的な自立が理由
  2. 就職活動をした音大生の42.1%が学校内で就職活動していることをオープンにできない
  3. 就職活動スタート時66.7%の音大生が「音大生の就職活動は不利」だと思っている
  4. 就職活動をした音大生の59.5%が身近に相談できる音大からの就職活動経験者がいない
  5. 就職活動をした音大卒業生の92.1%は音楽を通して培った力は社会で活きると感じている

【調査結果の詳細】

1 就職活動をする理由は?

「経済自立のため(69.0%)」「ビジネスマンへの興味(20.6%)」「音楽を仕事にしたくない(5.6%)」「音楽を続けたくない(3.2%)」「その他(1.6%)」
就職活動を経験している音大生に、就職活動した理由を質問したところ、7割近くの人が卒業後の経済自立を理由に就職活動していることがわかりました。

2 就職活動していることを学内でオープンにできましたか?

「オープンにできた(57.9%)」「オープンにできなかった(42.1%)」
音大での就職活動を経験している人に、就職活動していることを学内でオープンにできたかを質問したところ、半数近くが就職活動していることを隠して学校生活を送っていたことが明らかになりました。

 

3 オープンにできなかった理由は?(「できない」を選んだ方)

「少数派な進路だから(30人)」「周りに就活している人がいないから(29人)」「音楽を捨てると思われることが嫌だから(22人)」「師匠に指導の手を緩められるのが怖いから(18人)」「恥ずかしいから(10人)」「その他(4人)」

就職活動を学内でオープンにできなかったと回答した人に、その理由を質問したところ「少数派な進路だから(30名)」や、「周りに就活している人がいないから(29名)」に回答が集まっていることから、就職という進路が音大の中でのメジャーな選択肢ではないことが就職活動を隠して学校生活を送る主な要因だと判明。また「音楽を捨てると思われることが嫌だから(22名)」や、「師匠に指導の手を緩められるのが怖いから(18名)」という回答から、就職活動が知られることで音楽との向き合い方に学内でマイナスイメージを持たれることを不安視する音大生が一定数いることが分かりました。

4 就職活動スタート時、音大生の就職活動は不利だと思いましたか?

「不利だと思っていた(66.7%)」「不利だと思っていなかった(33.3%)」
就職活動を経験した音大生に、就職活動開始時に音大生の就職活動は不利だと思っていたかと質問したところ、7割近くの人が音大生としての就職活動は不利だという認識で活動開始していたことが分かりました。

5 不利だと思う理由は?(「思う」を選んだ方)

「採用する企業にマイナスに映ると思うから(48人)」「音楽経験が社会で生かせるか分からないから(35人)」「音楽のエピソードではESや面接は戦えないと思うから(31人)」「一般の大学生より劣っていると思うから(23人)」「音大の中で有益な情報が得られないから(14人)」

就職活動開始時音大生の就職活動は不利だと思っていた人に、その理由を質問したところ「採用する企業にマイナスに映ると思うから(48名)」に回答が集まっていることから、音楽大学という学歴に対して自信を持てずに就職活動をする音大生が多いことが判明。また「音楽経験が社会で生かせるか分からないから(35名)」や「音楽のエピソードではESや面接は戦えないと思うから(31名)」という回答から、音楽経験が社会で働くことに活かせられるのか不安を抱く音大生が多くいることが分かりました。

6 音大での就職活動を経験している相談相手が身近にいましたか?

「経験者の相談相手が身近にいなかった(59.5%)」「経験者の相談相手が身近にいた(41.5%)」
就職活動を経験した音大生に、音大での就職活動を経験している相談相手が身近にいたかと質問したところ、半数以上が経験者の相談相手がいない状態で就職活動していたことが分かりました。

7  経験者に相談したかったですか?(「いない」を選んだ方)

「経験者に相談したかった(88.2%)」「経験者に相談したくなかった(11.8%)」
就職活動中に身近に経験者の相談相手がいなかった人に、経験者に相談したかったかと質問したところ、9割近くの人が相談したかったと回答。就職活動する音大生は、音楽大学での就職活動経験者とのつながりを求めていることがわかりました。

8 就職活動や就職をした結果、音楽を通して培った力は社会で活きると感じますか?

「音楽を通して培った力は社会で活きた(92.1%)」「音楽を通して培った力は社会で活きなかった(7.9%)」
音大卒業生で一般企業に勤めた社会人や現役音大生で就職活動を終えた内定者に、音楽を通して培った力は社会で活きたかと質問したところ、9割以上の人が社会で活きたと回答。就職活動経験や社会人経験を通して、さまざまな業務で音楽経験を活かせられると感じている音大生や音大卒業生が多いことが判明しました。

【まとめ】

アンケートの結果から、音大生の就職活動にはさまざまなハードルが存在していることがわかりました。アンケートの自由記入欄には「就活=音楽を捨てる、といううしろめたさがあった」「大学内に情報が少ないことで音大生が抱く就活への思い込みや不安の多さは深刻だ」など、就職活動時に直面した課題や苦悩が多く寄せられました。

音大生が就職活動で苦労する背景として、音楽技術向上に特化した大学カリキュラムや音楽以外の世界を閉ざす指導などが要因として挙げられています。当社は「ミュジキャリ」を通じて、音大生が学外で就職活動の適切なアドバイスをいつでもどこでも受けられる環境を提供し、音大生のキャリアを積極的にサポートしていきます。

 

【調査概要】

調査期間: 2020年2月6日~2019年2月22日
調査対象:国内の音楽大学・音楽系学部の在籍者と卒業生
調査方法:「ミュジキャリ」登録ユーザーおよびインターネット調査にてアンケート
回答数:200件


【RENEW株式会社 代表 白鳥さゆりのコメント】

私自身、音楽系学部在籍中に肩身の狭い就職活動を経験し、音大生のさまざまなキャリアの選択肢の一助になればと考え、音大生に特化した就活支援サービス「ミュジキャリ」を立ち上げました。テストパイロット版を利用した音大生から大手製造業やIT企業などの内定実績が生まれたことから、音大生の就職活動における課題解決につながっている実感を得たと同時に、企業が求める人材採用の要件に十分、音大生が応えられると確信しました。昨今、全世界的に広がりを見せるコロナウイルスの影響により、直接指導ではなく、オンラインによる面談の機会が急増していることから、「ミュジキャリ」ではオンライン面談やチャットツールなどのITツールを活用し、音大生の就職活動支援のさらなるサポート充実を図りたいと考えています。